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未経験からのコンサルへの転職で求められるスキルと資質とは?
コンサル業界に興味はあるのだけれど、本当に自分がコンサル業界でやっていけるのだろうか?コンサル業界を志す人であればだれもが疑問に思う部分です。現在は、コンサルティング業界で活躍している人も就職前は不安に思っていたのです。今回はコンサルティング業界を志すうえで、必要な資質やスキルを知っていただき、コンサル業界に近づくための第一歩を踏み出していただける情報をお伝えします。
もちろん誰にでも向いている職業であるとは言い切れませんが、正しい方向性で準備をすれば、手の届く世界であるということはお伝えできるかと思います。どのような準備が必要なのかを一緒に考えていきましょう。
◆ハードルは低くないがリターンも十分にある
それなりに激務で要件も厳しい世界ですが、成功すれば夢のある業界です。
◇パートナークラスなら3,000万円以上、大手ファームのTOPレイヤーなら5,000万円以上も狙える
業界内でトップレイヤーのポジションにつければ、数千万円レベルの収入を得ることが可能です。平均年収が400万円前後と考えると十分な収入であるとはいえるでしょう。
◇フリーランスで2,000万円弱の収入を得る
実はパートナークラスの実力がなくてもマネージャークラスで、2000万円弱の収入を得ることも可能です。企業に所属せずに個人事業主として活動し、フリーランスのグループや大手企業のアンダーとして活動することで正社員としては楽よりも多くの収入を得ることが可能になります。
コンサルティングのスキルをしっかり身に着け、活躍することができれば十分なリターンを得ることが可能。特にフリーランスとして活動しながら起業・・・といったルートはあまり知られていませんが、高い収入を得ながらチャレンジができる環境が得られる点で、かなり活動の幅が広がるといえるでしょう、
■コンサルティングで成功するには?
それではコンサルティング業界で成功するために必要な資質とスキルについて考えていきましょう。
◆そもそも求められる資質とは?
コンサルティング業界で働いていくには最低限次のような資質が必要です
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あきらめずに挑戦する姿勢
月並みの表現になりますが非常に重要なポイントです。コンサルティング業界でのプロジェクトは俗に炎上と呼ばれるスケジュール・品質ともに死守することが求められつつも、達成が極めて困難な状況にあるプロジェクトや顧客企業内部の敵対勢力とのハードな交渉が求められるものが存在します。また、自らの知識やスキルのレベルを超えた要求が課せられることも少なくありません。こうした状況の中でも最大限できることを考え、成功するまで、完遂するまで粘り強く挑戦する姿勢が求められていきます。
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人並みの体力
コンサルティング業界のプロジェクトは時に非常にタフな状況に追い込まれます。8時出社28時退社・・・のようなプロジェクトは働き方改革の影響もあり、なくなってきているようですが、それでも、数日の間そのような状況になることはありえなくはないですし、9時から終電までくらいのプロジェクトはまだまだ十分に存在していると考えておいた方がよいでしょう。特にマネージャー以上になってくると長時間労働になりがちです。そんな中で、自身の気力と体力を保ち続けられることはマストになってきます。
とはいえ、健康な方であれば、大概の方は体力面でのハードルを越えられなかったという方は見たことがありません。マラソンでタイムがすごくいい、運動部で鍛えてきた・・・という方でなくても、基本オフィスワークなのですから、極端に病弱でなければ、問題なく働ける業界であると考えられます。
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自分で考える姿勢
わからないことがあるとすぐに答えを他人に求めてしまう・・・という方は向かない世界です。わかりやすい答えが待っていない中で最善の選択を顧客ができるようにしていくのがコンサルティングの仕事です。その姿勢は、情報収集や普段の会話の中でも求められて生きます。何の考えもなしに、「それって何ですか?」「どうやって調べればいいですか?」と質問することは、一見早く聞いて行動している点で合理的にも見えますが、考えがないように見えて好まれません。自分が考えて行動している人物だということを周囲にわかりやすく伝えていく「見せ方」も重要な要素です。
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向上心
コンサルティング業界で働くうえでは向上心が大切です。目の前のプロジェクトのことだけではなく、将来やっていきたい仕事の分野の勉強をしたり、プロジェクトのためのインプットを多方面から行ったり、人脈拡大のためのアクションをとっていく・・・など常に自分の価値を最大化するために考えて行動することが求められてきます。すでに、向上心があり、実際の行動に落とし込めている方はコンサルティング業界でも活躍する可能性は高いといえるでしょう。
◆必要なスキル
コンサルティングの資質がそろっていれば、あとはスキルを整えるだけです。実際にスキルは磨いていくことで身につくものですから、現時点でなくてもトレーニング次第で身に着けることが可能です。前述の資質のある方であればそもそも下記のスキルを身に着けることはそこまで難しくないはずです。
◇コンサルティングならではの事情
コンサルタントは自社の事業の主体ではなく外部の客観的な意見を述べる立場にあるため、単なる思い付きではなく、入念なリサーチのもとに網羅的に情報をあぶりだし、論理的に情報を絞り込み、提言していることを明示できる必要があります。(意思の力で選択するという手法が取れない)そのため、情報収集から構造化、MECEに至るまで基礎的な能力が大切になってきます。
◇情報収集スキル
WEB上での情報収集のみならず、本や知人・見知らぬ人へのインタビューなどを含めたいかに効率的に情報収集ができるかはコンサルティングを行う上でマストの能力となります。自社の事業を推進する立場ではなく、あくまで顧客の事業を成功に導くのがコンサルティングの仕事ですから、情報収集はどんなプロジェクトでも必要になるのです。知らないことがあるときに、どのような道筋で、どのくらいのスピードで情報収集ができるのか。常に意思して取り組んでいくようにすると、情報収集能力は格段にアップします。ポイントは情報収集を漠然と行うのではなく、アウトプットを意識しながら行うことです。収集した情報はどのようなシーンでどのように使うのか、どのような形式で話すor資料化するのかといった視点を持つだけで効率は格段に上がってきます。
◇ファシリテーション能力
ファシリテーションとはそもそも会議の成果を高めるために会議の進行を取り仕切る意味で使われることが多いですが、広くは議論の品質を最大化する行為であるといえます。よって、会議のシーンのみならず、あらゆるコミュニケーションのシーンで使える技術だということです。(メールやSNSでのコミュニケーションすら対象になる)アイデア出しを加速させていく発散の能力と、挙げられた情報を構造化し、評価、決定につなげていく就職の能力。双方を持っていることがコンサルティング活動では求められます。このような能力は一人で鍛えることは難しいですから、会議での司会役を積極的に引き受けたり、会話の中で、成果を最大化するためにはどうしたらいいだろうと常に考えながら過ごしたりしていくことで能力を高めていくことが可能です。
筆者の場合、大規模な会議でファジーなテーマをまとめ上げる・・・という経験はなかなか業務の中で担当する機会が得られなかったので、趣味で関わっている団体や指導で携わっている合唱団における方針策定のディスカッションを能力向上の機会として考えていました。職務の範囲に限定せず、練習の機会を幅広く考えてみるとよいかもしれません。
◇ロジカルシンキング
ロジカルシンキングは論理展開と構造化の2つを学ぶ必要があります。これらを身に着けたうえで、それをしていることが分かるような話し方・アウトプットの仕方ができるようになると、ロジカルシンキングができる人材として扱われるようになります。
◆論理展開
論理展開とは段階的に論を進めていく技術のことです。複数の事例から共通項となるルールを見つける帰納法と、観察事項と一般論を結び付け結論を導く演繹法を組み合わせて論を展開していきます。
◇演繹法
演繹法はルールと観察事項から結論を導き出す手法です。
◇帰納法
帰納法は複数の観察事項からルールを導き出す手法です。
通常、論理展開は演繹法・帰納法の双方を駆使して展開を行っていくことが一般的です。
◆MECEと構造化
コンサルタントに求められる技能としてMECEに情報を整理する技術と構造化して考えることが挙げられます。
◆MECEとは?
「MECE」ミーシー = Mutually Exclusive Collectively Exhaustive(モレがなく、ダブりもない状態)をさす言葉。コンサルティングにおける検討・提案はすべて思い付きではなく全体を網羅したうえで必要な手法を絞り込んだ・・・という事実が重要になってきます。そのため、考えられる原因や手法を網羅的に上げる考え方としてMECEが重要視されます。
◇漏れやダブりの例
帰納法において事例を挙げる場合にはできるだけMECEに要素分解したものを挙げられるとよいですね。一般的なフレームワークもMECEの考え方に基づいて作られているものが多いです。(3Cや4Pなど)
◆構造化
構造化とは情報の具体・中小の度合いを段階的に分けてツリー構造に整理していく技法です。下記の図をご覧いただくとわかりやすいかと思います。
構造的に整理した情報が頭に入ってきやすいことをわかっていただけるかと思います。
◆ロジカルに考えていることが伝わる話し方のポイント
- 結論先行
最初に結論を持ってくるようにします。
日本の人口減少の原因は何ですか?
→少子化が主な原因です。
- 根拠の数をしめす。
根拠の数を最初に伝えたうえで各論に入っていきます。
少子化の原因は3つあります。第1に、高学歴化が挙げられます・・・
- 数字で語る
できるだけ数字で語れる部分は数字で語るようにします。
1970年代には○○%だった大学進学率は2019年現在○○%まで上昇しています。
論理展開と構造化の具体的な内容については本論では割愛しますが、下記の書籍を参考にしてみてくださいね。
コンサルティング業界を志すうえでどんな準備をすればいいの?
ストレートにお伝えするとコンサルティング業界に入る理由から・何を目指すか、何を得るのか、を策定する構想策定と準備を具体的な計画に落とし込む計画化、実際の準備と選考を受けていく中でのPDCA、入社後の定期的なポジショニングのみなおし・・・といった計画を立てられることが、コンサルティング業界に入るうえでの資質そのものです。一度、現時点で考えられる計画を立ててみるのがいいでしょう。
とはいえ、全くイメージがわかないという方もいらっしゃるはずです。そもそも構想策定~実行までのプロセスをイメージできる方というのは経験がある、またはほかの活動での経験を応用できている方であるはず。現時点でその能力がないからといって、コンサルティング業界に参入できないとは言い切れません。
◇タイミングはいつがいい?
できるだけ早いほうがいいです。未経験からの転職ならば30歳前に挑戦するのがベストです。実際には35歳くらいまでは可能性はありますが、コンサルティング業界ならではの求められるスキルがあり、入社直後からそれを求められるため、ミスマッチになり活躍できなくなってくる可能性があります。
〇30歳以降でつまずく代表的ポイント「クライアントへの見せ方」
実際に進捗に問題がなくても品質に問題がなくても、クライアントから見て、よく進んでいる、いい成果を出してくれていると感じてもらえなければ、プロジェクトの継続は難しくなってしまいます。プロジェクトを遅滞なく、成果を最大化しながら進められる技術はもちろん必要なのですが、正しく評価してもらうためのクライアントへのインプットができなければコンサルタントとしての成功は難しいのです。20代で参画する場合には、アナリストやコンサルタントなどスタッフレベルで入社し、コンサルティングファームからの期待値も低いので、クライアントへの見せ方を身に着ける余裕がありますが、30を過ぎて入社すると、リーダークラスとしての動きをいきなり求められるため、実際はプロジェクトがうまく回っても成果をクライアントに認めてもらえない・・・ということが起きる可能性があります。
◇年収ダウンでもコンサル転職を検討すべきか?
現在お勤めになっている企業に依存する内容にはなってきますが、昇給率が高いため、年収ダウンでも検討する価値はあるかと思います。一般的に15%~20%くらいの昇給が見込める企業が多いようです。
◇ロジカルシンキングがあまり得意ではない
極端に苦手ですと入社後に苦労するかと思いますが、コミュニケーション力や粘り強さなど、ほかの部分でカバーできる可能性もあります。程度問題になりますので、ゼロイチで判断せず「どの程度できるか」と「どのくらい伸ばしていけそうか」を軸に経験者に相談してみるといいでしょう。
◇学歴
特に外資系戦略ファームでは学歴重視の選考が行われています。日本の大学なら東大や京大などトップレイヤー、海外上位大学のMBAホルダーなどが優遇されているのが事実です。とはいえ、総合コンサルなどではGMARCHクラスでも活躍している方も多く、中小規模ファームの中には学歴を重視しないところもあります。中小規模ファームでの実績をもって、外資系コンサルへの転職を目指す方法もありますので、現在の属性の強さを見極めながら、中長期でキャリアを考えていくのが良いですね。
■コンサルティング業界の生話を聞きたい・準備にアドバイスが欲しい
コンサルティング業界に興味を持ち実際に準備を進めていくにあたりアドバイスや添削が欲しい方は是非ご連絡くださいね