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コンサルティング業界への転職のポイント
これからコンサル転職を検討している、コンサル転職って何から始めればいいのだろうと考えていらっしゃる方も多いかと思います。コンサルティング業界は今や人気の業界となっており、ワンキャリアの調査によると20年新卒生の人気企業は上位6社がコンサルティングファームという異例の事態となっているようです。
とはいえ、コンサルティングファームへの転職は事業会社への転職と異なり意識しておかなければならないポイントがあります。今回はコンサル転職の流れを説明していきます
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コンサル業を知る
◆そもそもコンサル業界とは?
コンサルティング業界の始まりはフレデリックテイラー氏が19世紀末に「科学的管理法」という手法をもとに工場の生産工程を見直し、経営を立て直したことに由来しているとされています。
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経営学の出発点ともいえるものですので、よろしければご一読ください。私はこんな風に管理されたくないと思いました 笑
コンサルティングファームとしての始まりはアーサー・D・リトルが始まりとされており、以降ファームからの独立者たちがさらなるファームを立ち上げ、分化が始まっていきました。コンサルティング業界とはこれらの流れをくむ、経営全般の課題解決を事業とする企業群をさしています。よって恋愛コンサルなど、コンサルとつくものすべてが含まれているわけではありません 笑
◆コンサルティングファームの分類
コンサルティングファームの分類に関してはいろいろな文献やWEBページで紹介されているものの、統一された軸がなくわかりづらいのが事実です。
大別
◆戦略系ファーム
マッキンゼー・アンド・カンパニーやボストン・コンサルティンググループ(BCG)といった一流ファームが名を並べるコンサルティング業界の花形ファーム。給与レンジも高いのが特徴。一方で職務経歴や学歴、スキルも高水準であることが求められる領域でもあります
代表例
マッキンゼー・アンド・カンパニー/アーサー・D・リトル/A.T.カーニー/ローランドベルガー/ベイン・アンド・カンパニー/コーポレイトディレクション/ドリームインキュベータ
◆総合系ファーム
あらゆる業種の顧客に上流フェーズから下流フェーズまで網羅的な支援を行うファーム群。数千名規模のファームも多く存在する。
代表例
デロイト・トーマツ・コンサルティング/アクセンチュア/PwCコンサルティング/KPMGコンサルティング/日本IBM/クニエ/EYアドバイザリー/日立コンサルティング/シグマクシス
◆シンクタンク系
官公庁向けの調査を主な業務として引き受けている企業群。官公庁向けの調査により培われたリサーチ力を生かして、民間企業向けのコンサルティング業務にも進出している。学歴・職歴重視の傾向があり、属性の強さは要チェックである
代表例
三菱総合研究所 三菱UFJリサーチ&コンサルティング 日本総合研究所 能浦総合研究所 NTTデータ経営研究所 大和総研 富士通総研 みずほ総合研究所
◆国内独立系
日本発のコンサルティングファーム群で中小企業向を中心に顧客にしている。顧問料を取り、適宜訪問することによって支援を行っており、総合系・戦略系ファームとは支援形態がかなり異なっている。求められる知識や行動様式も異なる部分があり、同じコンサルティングファームの枠にありながら両者にはやや転職時などに隔たりがあるといえる。
代表例
船井総合研究所 日本経営システム 日本能率協会コンサルティング 朝日ビジネスコンサルティング NBCコンサルタンツ
◆IT系コンサルティング
IT分野に特化したコンサルティング支援を行っているファームです。
代表例
フューチャーアーキテクト
◆ベンダー系コンサルティング
ベンダーのパッケージ送付とウェアの導入を支援するために組織されたコンサルティングサービスを持つ企業群です。
◆組織人事系
企業の人事分野に特化した支援を行うコンサルティングファームで、戦略・総合系とは一線を画した特化型支援を行っているファームです。
代表例
マーサージャパン、タワーズワトソン、ヘイコンサルティンググループ
◆コンサル就職の構想を策定する
あなたがコンサルティング業界に進もうとしている理由は何でしょうか。どうなりたいのでしょうか。明確なビジョンをもってコンサルを目指すことが大切です。
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◇直近で何をしたいのか?
◇コンサルタントとしていつまでに何を成し遂げたいのか
◇EXITはどうするのか?
◇人生を通じて何をしていきたいのか
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本来であればゴールを設定して逆引きでマイルストーンを置き、実行計画に落とし込んで実行していく・・・というのがコンサルらしい考え方かもしれませんが、あまり将来のことについてイメージがわかず直近のことを考えるだけで精一杯という方も多いのです。
積み上げ方式でもその場その場で目の前のことと向き合っていけば道は開けてくるのも事実かと思いますので、必ずしも現時点でゴールが見えなくても大丈夫です。考えられる範囲で構想を考えてみましょう。
◆自分の属性の強さを確かめよ
コンサルティング業界を知りある程度どうなりたいかの方向性が見えてきたら、ご自身の職務経歴と学歴を見直してみてください。コンサルティングファームでは入社後はほぼ学歴や職務経歴が影響を与えない一方で、入社時には足切りとして十分に機能しています。マッキンゼーやBCGなど一流ファームのみならず、あまり名の知れていない日系ファームであっても、事業が軌道に乗り出すと学歴や職務経歴での絞込を掛けてくるようになります。海外MBAや国内の一流大学であれば申し分ないのですが、そうでない方がコンサルティングファームを目指すのであれば、戦略的に転職を進める必要があります。その戦略の例を紹介します。
- 大学・学部のブランド力が弱い→MBA取得(できれば海外)
- 大学・学部のブランド力が弱い→知り合い経由で入れるファームに所属
- 大学・学部のブランド力が弱い→採用難のファームに申込み
- 転職歴が多くはじかれる→直接人事やコンサルタントとのコネクションを作り、丁寧に説明
など、戦略次第でコンサルティング業界で活躍するための方法は存在します。
現在の自分の属性がどのくらいコンサルティングファームにとって魅力的なのかについてはコンサル業界の知人に聴くか、コンサルティング業界を専門とするエージェントに相談するのが良いでしょう。
◆選考を受ける
自分のビジョンと属性の強さがわかってくると受けるべきファームがおのずと見えてきます。受けたいファームをピックアップしていきましょう。自らに合ったファームを探すのが大変な場合にはエージェント等に協力を依頼するのも有効な方法です。
◇そもそもどのくらい受けるべきか
弊社独自の調査によると内定率は戦略系10%以下/業務IT系で20%以下となっています。コンサルを目指されるからには5社以上の申し込みが望ましいといえます。
◇面接対策①ケース面接対策
戦略のみならずフェルミ推定が面接の中で求められる場合が多くありますので、必ず対策をしておきましょう。
フェルミ推定対策
◇そもそもフェルミ推定とは?
フェルミ推定とはイタリアの天才科学者エンリコ・フェルミの名にちなんで名づけられた、未知の数字を既知の数字から推定する方法のことです。
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バスの中にゴルフボールはいくつ入る?
日本に電信柱はいくつある?
日本に机はいくつある? など
その場では知っているはずもないものの数を推定していきます。
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バスの中にゴルフボールはいくつ入る?という問いであれば
→バスの体積÷ゴルフボールの推定体積
バス内部の体積=バスの全体の体積-椅子の体積-床が上がっている分の体積-タイヤのでっぱりの体積
ゴルフボールのサイズは 半径1.5センチと考えたら 4/3π×1.5^3 ・・・
という具合に分解していきます。
それぞれの数値の正確さよりも、正しく分解して、それぞれの数値を定義して計算しているということが大切です。
◇対策のステップ
- 主要な数字は覚えておく
いくらきれいに分解することができていても常識的な数字は知っておかない限り推定ができません。一般的に知っておいた方が良いとされる数値は下記のとおりです。
日本の企業数
日本の大企業数
日本の中小企業数
日本の労働人口
日本の国土面積
日本の人口
正確な数値でなくても近しい数字であれば指摘されることはありませんが、一桁二けた違うと常識的におかしいことに気づけないのだろうか・・・と面接官の印象を悪くします。可能であれば主要な数値を暗記するだけでなく、普段から数値を意識して生活するとよいでしょう。
- 分解方法になれる
基本的に分解は因数分解で四則計算のみで分解していきます。計算式としては正しくても数値の算出が難しい因数は含めないほうが良いでしょう。
- 相手に伝わるように分解過程を見せる
一番ここが抜けてしまいがちなのですが、いくら正しく分解して計算できたとしても面接官が欲しいのは答えではなく過程が正しいかどうかという情報なのです。私は正しく分解して数値を求めましたよ ということが分かるようにうまくメモを使ったり、独り言を言ったりして、進めていきましょう。このあたりは見せ方のテクニックになります。
また、面接官がコメントを挟んでくる場合がありますが、積極的に受け入れていきましょう。面接官はもしかしたら、人の意見を受け入れる素直さがあるのかを試している場合があります。コンサルティングファームでは論破することに重きを置かず、ともに考えることを大切にします。ディスカッションパートナーとして自分が優れていることを示す機会になりますので、面接官の意見はうまく受け入れていきましょう。
ポイント①:考え方があっていることをアピールせよ
ポイント②:絶対に対策せよ
私はフェルミ推定という言葉すら知らずに、本番で出題されてしまい、面接官を呆れさせると同時にとても焦りました 汗 皆さんはちゃんと対策して受けるようにしてください。
フェルミ推定のよくある質問
何段階くらいまで分解すればいいの?
面接時間と考え方の正しさをアピールしきれる量を考慮すると2段階程度を目安にするのがよいでしょう。1段だけですと思考が浅く見えますし、3段階目以降まで分解していくと収拾がつかなくなります。
参考書籍
現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート
地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」
◇面接対策②話し方の練習
コンサルタントは見せ方を意識しなければならない職業です。面接官はコンサルタントとしての自分のクライアントだと思ってどうしたら、優秀で雇いたい人間だと思われるかを考えて臨みましょう。特に服装は重要です。最低でもジャケットは必須ですし、だらしなく見えた時点で内定の確立はかなり下がってしまいます。
また、言葉の使い方や目線も重要です。一度模擬面接を行って録画するなど、自らの話し方をチェックしてみるのもよいでしょう。
◇申し込み方法
申し込みのルートは直接/ダイレクトリクルーティングのスカウト待ち/リファーラル/エージェント経由があります。
◇直接応募
応募意志が高いとみなされやすく、関係機関への手数料が発生しないため、企業側のコストが低く、決定率が上がるといわれています。応募フォーム次第ではかなり自由にアピールできるので、属性が弱い場合には良い申し込み方法でしょう。
◇ダイレクトリクルーティングスカウト待ち
現在の所属が有名企業でコンサルティングと親和性が高ければビズリーチやAMBIといった媒体に登録し、企業からのダイレクトリクルーティングを待つのも有効な方法です。受けたいファームが明確な場合には効率が悪いかもしれませんが、面接が設定される可能性が高いので有効な方法です。
◇リファーラル
コンサルティングファーム所属者からの紹介で入社します。報奨金を設定している場合も多く、知り合いから猛烈にアプローチされたら報奨金目当てかもしれません 笑 リファーラル経由での入社は企業側の視点でみると、エージェント経由などと比較してコストが低く、かつ離職率が低い傾向にあるため、決定率もおのずと高くなります。
◇エージェント経由
エージェント経由でのメリットは複数社の情報横断的に得られることと、自らが発見できなかったマイナーだけれど自分に合っている企業を紹介してくれる可能性があることです。また、現在は採用枠がないような場合でもエージェントが個別に交渉してくれて特別枠で入社できる場合があります。属性があまり強くない場合には特別枠での入社は有効に活用できるでしょう。面接対策や業界の内部情報を握っていることも彼らの特徴です。
◆実際に選考が始まったら
実際に選考が始まるとプロセスの中での躓きが見えてくるはずです。(すべて内定という可能性もありますが・・・)
◇書類選考が通らない
属性と受けている企業がマッチしていない可能性が高いです。受ける企業のレベル感を変えるかルートを変えてみるのが良いでしょう
◇面接が通らない
面接での話し方やビジョンが企業に刺さっていない可能性が高いです。話している内容を見直してみましょう。自分が思っていることを正しく伝えるというのも重要である一方で企業側が求めていることは何かという部分に注力して話すのが重要です。
★企業側が気にするポイント★
・どのくらい仕事に重きを置いてくれるのだろうか
・入社後すぐに離職しないだろうか?
・すぐに求職したりしないだろうか
・社員とトラブルを起こさないだろうか
・メンタルのリスクはないだろうか
上記に関して問題がありそうな要素が履歴書にありそうな場合には、自分から会話の中で否定しておいた方が安全です。
例えば半年以内の離職が履歴書上に存在するならば、
→やむを得なかった理由を伝えるとともに、長く働ける企業を探していることを伝える
過去にメンタルに関する通院歴がある
→克服したことと再発のリスクが低いことをにおわせるエピソードを添える
◆内定後の動き
内定が取れた後に重要なのはいかに現職を円満に退職するかです。うまくやれば、コンサルタントとしての最初のクライアントにすることが可能です。有給消化や引継ぎはトラブルが発生しやすいポイントですので権利を主張するばかりでなく、うまく交渉を進め、しっかり休みつつ、信頼を維持したまま転職するようにしていきましょう。
◆選考にまつわる不可抗力
先行がうまくいかない理由の中にはあなたに原因がないものもあります。下記はほんの一例ですが、やむを得ない場合もありますので、選考がうまくいかなくても落ち込みすぎないほうがよいでしょう。事情によっては正面からFBを返すことが企業にとって難しいこともあります。面接官との信頼関係が構築できていればフィードバックを受けられる可能性も高まりますので、積極的に関係性を作りたいですね。
・採用目標がほかの候補者の確定で達成されてしまった
・四半期末決算の目標値を下回り採用計画に変更が生じた
・景気低迷の見通しが社内で濃厚になる
・担当が変更になり採用意欲が低下した
・似た属性の社員がトラブルを起こしている
・自分の担当エージェントがトラブルを起こした
・選考を受けている企業が大規模訴訟された
◆最後に
コンサルティング業界への転職は慣れないことも多く戸惑われる方もいらっしゃると思います。
その際は是非Luceにご相談下さい。