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コンサルタントに英語は必要か? ~英語力がもたらすチャンスと、それを手にする方法とは?~

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コンサルティング業界で働くにあたり英語力は必要とされるのでしょうか。その問いに対する答えは、「英語力があるとチャンスは広がる。」です。
本稿では、「1.英語力があると広がるチャンス」、「2.コンサルティングファームで評価される英語力」、「3.英語力に自信がなくてもコンサルタントとして活躍できるフィールド」、「4.これから英語力を向上させるための手段」の4点について言及します。

1. 英語力があると広がるチャンス

コンサルティング業界において英語力のある方に広がるチャンスとして、実務で英語を使いながらコンサルタントとしてのキャリアを形成できる点と、それに伴い転職が有利になる点が挙げられます。

◆主言語が英語の「グローバルプロジェクト」でキャリアを形成

コンサルティングファームは、クライアントの経営課題解決に向けたプロジェクトに日夜取り組んでいますが、その中には英語を主言語として推進されるものが数多く存在します。クライアントが外資系企業などの英語を公用語とする企業の場合は勿論、業務提携先が外国企業の場合、また、自社の海外拠点が主導する場合、それらのプロジェクトの主言語は英語となります。
そのような「グローバルプロジェクト」において英語力に定評のあるコンサルタントは重宝され、より難易度の高い案件にアサインされ続け、「英語力を活かしたコンサルティング経験」を積み上げることができます。

◆英語でのコンサルティング経験で転職が有利に?

上記のような英語での実務経験が豊富なコンサルタントは市場価値の高い人材として評価され、やはり英語を主言語としたプロジェクトを多数抱える同業他社のコンサルティングファームからは引く手あまたです。また、コンサルタントとしての経験や英語での実務経験を武器に新しい分野に挑戦する方も多くおり、国内外の事業会社の経営企画ポジションや投資ファンドなどへの転職を実現させています。
また、これからコンサルティング業界を目指す方にとっても英語力はアドバンテージとなり得ます。実際、応募者の英語力を確認するために英語での面接を実施する場合もあるようです。しかし、英語力だけでコンサルティングファームに入社することは簡単ではありません。ロジカルシンキングをはじめとしたコンサルタントに必要なベーススキルをあらかじめ身に着けておく必要があります。
※ベーススキルについてご興味いただけた方は是非当社記事「未経験からのコンサルへの転職で求められるスキルと資質とは?」をご参照下さい。

2. コンサルティングファームで評価される英語力

それでは、コンサルティングファームで評価される英語力とはどのようなものでしょうか。TOEICのスコアで表すと700以上、英語力が重要視されるポジションにおいては800以上と考えることが一般的です。しかし実際には、「英語で滞りなく意思疎通できること」が評価の対象となります。グローバルプロジェクトでは会議が英語で行われ、また、メールのやりとりも英語です。そのような状況下において、国内プロジェクトと変わらぬ業務スピードやアウトプットを求められます。すなわち、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの全てにおいて業務に対応し得る水準に達しているかどうかが重要視されます。

3. 英語力に自信がなくてもコンサルタントとして活躍できるフィールド

それでは英語力に自信のない方はコンサルティング業界で働くことは難しいのでしょうか。実はそれは誤りであり、実際には英語力を問わず沢山の方がコンサルタントとして活躍しています。

◆日本語でのプロジェクトが大半

コンサルティングファームのプロジェクトの全てが英語で行われているかと言われるとそうではありません。日本では、たとえ外資系であっても英語のみで実行されるプロジェクトは少数であり、日本語のみで成立するプロジェクトや稀に英語を使う業務が発生する程度のプロジェクトが大半を占めています。
グローバルプロジェクトには帰国子女や留学経験者など、ネイティブに近いレベルの英語力を持つコンサルタントが優先的にアサインされる傾向があり、一般的な日本人のコンサルタントは日本語で業務を行っています。

◆初めから英語力に自信のある方ばかりではない

実は、多くのコンサルティングファームにおいて英語力は選考の必須要件として定義されていません。したがって、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの全てを兼ね備えている方ばかりではなく、英会話に自信のない方もコンサルタントとして入社しています。
そのような方が英語力を必要とするプロジェクトにアサインされた場合、リーディングの力を活かして英語の文献から情報を収集する、ライティングの力を活かして資料を作成する、リスニングやライティングの力を活用して議事メモを作成するといった業務からスタートし、これらの業務や自己学習を通じて徐々に英語力に自信をつけていきます。

◆英語力の問われないコンサルティングファームが存在する

日本国内では英語力が問われにくいコンサルティングファームも存在します。外資系ファーム等で経験を積んだコンサルタントが創業した国内独立系と呼ばれるコンサルティングファームや、日系大手企業系列のコンサルティングファーム、シンクタンク等が挙げられます。これらのコンサルティングファームはクライアントのほとんどが日系企業であり、かつ、大半が国内プロジェクトです。したがって、実務で英語を使う状況はほとんど発生しません。
※コンサルティングファームの種類についてご興味いただけた方は当社記事「コンサルティング業界への転職のポイント」をご覧ください。

◆これから英語力を身に着ける価値

しかしながら、ビジネスのグローバル化はこれからも進み続け、それに伴い業務で英語を使う頻度も今後ますます増えていくと予想されます。コンサルティング業界でもその傾向はあります。実際、海外進出を目指す日系企業のニーズに応えるために海外拠点を設立する独立系コンサルティングファームが出始めており、また、今後その数はさらに増加することが予想されます。
また、昨今のコロナウイルスの影響もあり、これからの社会ではリモートワーク等といった人の移動を伴わずに業務を行うという考え方や、それを成立させるための技術が発達すると予想されます。これらもまた、ビジネスのグローバル化をさらに促進させる可能性を秘めています。
したがって、コンサルタントであるかどうかにかかわらず、「将来への投資」として英語力を向上させることは良い選択肢のひとつであると考えられます。

4. これから英語力を向上させるための手段

それではどのようにして英語力を身につければよいのでしょうか。その方法として、「英語を自己学習する」ことと「英語を使う環境に身を置く」ことの2つが挙げられます。

◆英語を自己学習する

・自己学習で英語力を伸ばす方法は沢山ある。

英語を自己学習する手段は沢山存在します。英会話スクールは数多く存在し、また、書籍をはじめ様々な英語教材が販売されています。近年ではインターネットを活用した英会話学習サービスも出てきています。これらのものは有料ですが、SNSやスマートフォンのアプリ等、無料で学習できるツールも数多く存在します。例えば、国外のテレビ局は最新のニュース記事をアプリで配信しており、これらのアプリをスマートフォンにインストールしておけばいつでもどこでもそれらの記事を英語で読むことができます。また、インターネットを検索すれば、シャドーイングをはじめとし、英会話習得に繋がる学習方法を掲載した記事が数多く存在します。したがって、多くの日本人は英語力を向上させるチャンスに恵まれていると言えます。

・それでも英語力が伸びない理由とは?

このように英語の学習環境が整っているにもかかわらず、日本人の多くは未だ英語力に悩み続けており、世界から見ても遅れをとっています。その原因として、英語を習得する気になりにくい、また、その気持ちを継続しにくい環境が日本には整っていることが挙げられます。
現在の日本では英語を使わなくても生きていくことができます。日本に住んでいると日常生活において英語を使う必要が生じる場面に遭遇する事はほとんどありません。先に示した通り、コンサルティングファームでは、たとえ外資系であっても大半は日本語しか使わないプロジェクトが占めており、英語を習得しなくても活躍できるフィールドが存在します。また、事業会社においても、海外拠点との会議においては英語を使う場面はあっても国内拠点での日本人同士のコミュニケーションで英語を使うことはまれでしょう。したがって、自己学習で英語力を向上させようとした場合、個々人が強い意志の元、自発的、かつ、意識的に英語を習得しようと考える必要があり、ひとつのハードルとなっています。
また、日本人特有の働き方も英語学習のハードルを上げる要因となっています。残業が発生し、かつ、それが評価される環境では、プライベートの時間を自己研鑽に使う時間が限られます。したがって、勉強する内容は「現在の実務に直結する内容」になりがちであり、「将来への投資」としての勉強は後回しになる傾向があると考えられます。とりわけタフな働き方を求められるコンサルティング業界において、その傾向はより強まるでしょう。
したがって、現在英語を使っていない環境で働いている場合、英語学習は「将来への投資」となるため、優先的に勉強すべき内容から外れてしまいます。

◆英語を使う環境に身を置く

英語力を向上させる目的で英語を使う環境に身を置く方法としては、大きく分けて留学と就業があります。

・英語を使う環境で学ぶ

海外留学を考えた場合、主目的を英語学習ではなくMBA取得などといった別の目的にすることが推奨されます。それは、日本社会においてキャリアの面で語学留学は有利には働かず、かつ、職歴に休職期間や離職期間があると不利になるためです。業務で使えるレベルの英語力を身に着けるためには長い期間が必要であり、社内公募での留学制度を活用できる場合を除き、状況によっては退職せざるを得ないことがあります。したがって、どうしても離職期間を発生させざるを得ない状況において、少しでもその期間をカバーできるようにするため、あくまでもコミュニケーションツールのひとつである英語力だけでなく、MBAや国家資格などといったキャリアの面で有利に働く可能性のある付加価値を身に着ける戦略を考える必要があります。
コンサルティングファームの幹部クラスにはMBA取得者が数多くおり、また、コンサルタントでない方でもMBAや国家資格を取得していることはコンサルティングファームへの転職を考える際有利になると考えられています。しかし、留学費用などの投資を回収できる保証がない点は留意すべきです。

・英語を使う環境で働く

一方、英語を使う環境で働く場合はどうでしょうか。先に示した通り、英語を使う環境では会議は英語で行われ、また、メールのやり取りも英語で行われます。すなわち、自己学習では身につける事が難しい生のスピーキング力やライティング力を実践で習得するチャンスが得られます。さらに、英語学習について「将来への投資」から「現在の実務に直結する内容」に置き換わるため、プライベートの時間に勉強するようになります。
英語を業務で使うことは初心者にとっては簡単ではないため、慣れないうちは大変に感じる事もあるかもしれません。しかし、職歴に空白期間を発生させずに、かつ、給料をいただきながら一生役に立つスキルを習得できる点は、日本社会で英語を習得するにあたり最も魅力的なことであると考えられます。
したがって、英語力を身に着けるには、英語を使う環境で働くことが最も効率がよさそうです。

◆英語を業務で使う環境で働くためには?

それでは、実際に英語力をこれから伸ばしたい方が英語を使う環境で働くチャンスはあるのでしょうか。結論として、現在の日本ではその機会が用意されています。
現段階で外資系企業に在籍されている方は、英語を使う部署への異動やプロジェクトの参画に手を上げることができます。また、現職で英語を使うチャンスがない方にとっても、その環境に巡り合うチャンスはあります。先に示した通り多くのコンサルティングファームは英語力を選考の必須要件としておらず、入社段階で英語力を問われない求人やポジションが多数存在しており、現時点で英語力に自信のない方でも応募できます。そのようなポジションを手に入れるために大切なことは、選考時に「業務で英語を使うこと」「これから英語力を向上させること」について意欲的、かつ、積極的である点をアピールすることです。
前向きな気持ちと覚悟さえあれば、これからグローバル人材を目指す事は十分可能です。

5. まとめ

・英語力があるとチャンスは広がる。
・英語力に自信がなくてもコンサルタントとして活躍可能
・英語力の向上は将来への投資の選択肢のひとつ
・英語力を向上させるには英語を使う環境で働くことが効率的

これから英語力を活かして仕事をしたい方、また、業務を通じて英語力を身に着けたい方は是非当社にご連絡下さい。皆様がキャリアにおいて目指す方向に伴走できるようサポートいたします。

 

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