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コンサルティング業界が存在する意味とは? ~コンサルタントの仕事とその魅力~

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コンサルティング業界は社会においてどのような役割を担っているのでしょうか。本稿では、コンサルタントの仕事内容からその社会的意義にいたるまで、コンサルティング業界の魅力について具体的に解説いたします。

■コンサルタントの仕事内容

コンサルティングとは、コンサルト(Consult)という「意見を聞く」「助言を求める」「診察を受ける」を意味する英単語の進行形です。すなわち、コンサルタントの仕事はクライアントにとって良き相談相手となることであり、また、企業にとっての医者であると例えられることもあります。
コンサルタントの仕事はクライアントの利益を増大させるために存在します。よく、コンサルタントの仕事は経営課題を解決することといった表現を見かけますが、その本質はクライアントの利益に対する障害となっている要素が何かを見極め、それを取り除く方法を提示することです。その一方で、クライアントの利益を増大させる可能性を秘めた要素を見極め、そこを伸ばす方法をも提示します。

◆コンサルティング業界の仕事の流れ

コンサルティングファームではプロジェクト単位で業務が進められています。プロジェクトの案件はコンサルティングファームの最高職位であるパートナーと呼ばれる方々が中心となって受注します。受注方法は直接的な指名を受ける、または個別に提案をして受注する場合と、コンペ形式にある場合があります。正式に受注を受けると、その内容を元にプロジェクトメンバーが正式に選定されます。
プロジェクトがキックオフされると、まず顧客へのインタビューが行われます。そのインタビュー内容を元にプロジェクトメンバーが情報を収集し、その情報を元に課題解決に向けた仮説立案・検証が行われ、その検証結果をもとに課題解決方法が提案されます。近年では、課題解決方法を提示後に実行支援を常駐型など顧客と極めて近い距離で行う、いわゆるハンズオン型のコンサルティングファームも出てきています。
プロジェクトは3カ月単位で行われることが多く、また、そのコンサルティングフィーの高さから、短い期間で高品質のアウトプットを提示する必要があります。コンサルタントの仕事は激務になる要因はここにあるといえます。

◆コンサルタントの役職と役割

コンサルティングファームにおける職位と、そのプロジェクトにおけるその役割について解説します。職位は各社で異なる名称で呼ばれますが、ここでは大きく4つの段階に分けて説明します。

◇アナリスト(アソシエイト)

コンサルティング業界に入社すると最初に就く役職です。主にクライアントのインタビュー内容を元に情報収集や分析、それを元にした資料作成を担当し、コンサルタントの仕事を支援します。この期間に基本的なビジネススキルやコンサルタントとしての仕事の進め方を学びます。

◇コンサルタント/シニアコンサルタント

クライアントのインタビュー内容やアナリストが調査した結果を元に課題解決に向けた仮説の立案やその検証等、プロジェクトの実務を行います。事業会社での係長・課長クラスに相当します。

◇マネージャー/シニアマネージャー

プロジェクトマネジメントの役割を担い、プロジェクトメンバーの選定、プロジェクトの推進、予算管理、顧客への報告等を行います。事業会社での課長・部長クラスに相当します。

◇パートナー/プリンシパル

コンサルティングファームの経営を担い、クライアントからの案件の受注を担当します。また、プロジェクトの最終報告やその後のフォローの役割も担い、追加案件の提案や受注も担当します。事業会社での役員クラスに相当します。

◆コンサルタントが行うプロジェクトとは

ここまで、コンサルティングファームではプロジェクト単位で業務を行っていることや、プロジェクトにおける各役職の役割を解説しました。それではコンサルティングファームで実際に行われているプロジェクトにはどのようなものがあるのでしょうか。
先に示した通り、コンサルティング業界の仕事はクライアントの利益を増大させることです。利益とは、売上とコストの差で表すことができるため、売上アップによる利益拡大を目的としたプロジェクトと、コストダウンによる利益拡大を目的としたプロジェクトが存在します。あらゆる課題がプロジェクトとなることが答えではありますが、ここでは代表的なプロジェクトをいくつか紹介します。

◇売上アップによる利益拡大を目的としたプロジェクト

売上アップによる利益拡大を目的としたプロジェクトの代表例として、中期経営計画策定支援、新規事業立上げ支援、海外進出支援等があります。中長期経営計画策定において、クライアントが売上目標を達成するためにはどのような計画を立てるべきか、例えば、現在の経営資源をどのように投資するかといった意思決定する際、その判断を下すのに必要な根拠の探索や計画案の作成にコンサルタントが関わっています。
また、既存のビジネスモデルでの利益拡大が難しくなった場合、企業は新規事業を立ち上げ新規顧客の獲得を含む売上増加を目指します。一方、既存のビジネスモデルにおいても国内市場が縮小し、海外での需要が見込める場合は海外進出を考える企業もあります。しかしながら、これらを実行するには膨大な投資が発生し、また、ビジネスが狙い通りに機能しない場合はその投資を回収できないリスクが発生します。とくに、海外進出の場合は法令リスクや文化の違いにもとりわけ配慮が必要です。それらのリスクを回避し、自走できる事業を立ち上げるための道筋を決定する際、コンサルタントが活躍しています。

◇コストダウンによる利益拡大を目的としたプロジェクト

コストダウンによる利益拡大を目的としたプロジェクトの代表例として、業務フロー改善プロジェクトが挙げられます。平常業務に存在する無駄を省き生産性を向上させ、人件費等の固定費を削減する狙いがあります。近年ではこれらの実現にIT技術を活用するケースが増えており、例としてRPA等を用いた業務自動化やERP(統合基幹システム)の導入による経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)の一元管理化が挙げられます。特に近年ではERP導入・刷新についてクライアントからのニーズがあり、ERPの経験がある方はコンサルティング業界未経験でもコンサルティングファームから引く手あまたです。クライアントの現状や志向に応じて、ERPを導入すべきかどうか、また、ERPにはSAPをはじめ様々な製品が存在しますが、その中からどのソフトを導入すべきかを検討・提案するところからコンサルタントが関わります。

■コンサルタントに仕事を頼むメリット

これまでコンサルタントの仕事内容を紹介しましたが、それらの仕事はクライアント自身で対処できる仕事なのではないか?と疑問に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかしながら、多くの企業は決して安くない代金を支払ってコンサルティングファームに仕事を依頼しています。それは、下記3つのメリットがあるからであり、それらがコンサルタントの存在意義となります。

◆第3者目線の客観的な意見を聞くことができる

自社で課題解決をしようとした場合、どうしても自社のこれまで実績や経験に囚われ、主観的な議論に終始してしまったり、個々人の利害に基づく議論になったりしてしまう場合があります。そのようなときに、第3者目線で物事を考えて客観的な議論を展開することができるコンサルタントの存在はクライアントにとって有益な存在です。
また、課題の本質が現場にある場合、実務を担っている方々はその問題点に気が付いている場合があります。しかし、現場の立場から考えると上層部に対し意見を言うことは難しい場合が多く、また、仮に報告したとしても解決しないこともあります。そのような状況の中で、現場に存在する課題の解決策を客観的に示してくれるコンサルタントの存在は、やはりクライアントにとって有益でしょう。

◆経験者と一緒にプロジェクトを実行できる

コンサルティングファームに依頼する仕事は、多くのクライアントにとって滅多に発生しない業務である場合が多く、また、初めての試みである場合もあります。また、今後恒常的にその業務が発生する可能性は低いと考えられ、そのたった1回のその業務を行うために自社の社員だけでチームを結成してプロジェクトを推進することや、また、新たに人を採用することを躊躇せざるを得ない場合があります。
コンサルティングファームに依頼した場合、そのプロジェクトの推進を担当するコンサルタントはその業務の経験者です。未経験者で業務を実行するよりも、熟練者に解決を依頼する方が、短い期間で質の高い結果が得られます。

◆問題解決のスペシャリストに任せる事ができる

コンサルタントがクライアントの課題の解決策を考える際、ロジカルシンキングをはじめとする問題解決に役立つスキルを活用しています。これらは短期間で身につける事が難しいスキルであり、習得するためにはそれぞれのスキルについて日々意識的に考え取り組む必要があります。
※コンサルタントが活用するスキルについてご興味いただけた方は是非当社記事「未経験からのコンサルへの転職で求められるスキルと資質とは?」をご参照下さい。
また、上記の思考スキルに加え、IT技術によるデータ分析結果を元にクライアントの課題に対しする解決方法を提示するコンサルティングファームも出始めています。ポジションとしては機械学習や統計解析を駆使して根拠を導き出すデータサイエンティストや、マーケティングコンサルタントなどが挙げられます。やはりこれらの専門技術も習得に時間がかかるため、自力で習得するよりも熟練者を雇うか業務を依頼する方が短期間で質の高い結果が得られるでしょう。
実際、先に示したERPソフトウェアの導入経験などを含めIT技術に精通している方はコンサルティングファームから引く手あまたであり、エンジニア出身のコンサルタントも沢山の方が活躍しています。

■コンサルタントという職業の魅力

先に示した通り、コンサルタントのプロジェクトは3カ月であることが一般的です。その短い期間で上記のような内容を徹底的に詰め、最大限のアウトプットを出す事は容易なことではありません。事実、多くのコンサルタントは、自身の業務の無駄を徹底的に省くよう日々心掛けて仕事に臨んでいますが、それでもタフな働き方になってしまいます。特に、戦略コンサルティングファームは月平均の残業時間が100時間近くである場合が多いといわれています。そのような状況でもなぜコンサルタントはその仕事を続ける事ができるのでしょうか。それには、3つのやりがいが存在します。

◆顧客からの感謝の言葉

コンサルタントが最もやりがいを感じるとき、それは、クライアントから「ありがとう」の言葉をもらったときです。どんなに業務で苦しいことが発生しても、多くのコンサルタントはクライアントからの「ありがとう」によって救われ、また、その言葉から力を得て全力に仕事に取り組むことができるようになります。コンサルタントは論理性を武器に戦っているため冷徹と誤解されることもありますが、実際はクライアントの悩みに寄り添い、解決に向けて伴走し、「ありがとう」の言葉にやりがいを感じる温かみのある方が多いのです。

◆高い給与水準

コンサルティングファームでの仕事は、短い期間で最大限のアウトプットを求められるため激務ではありますが、パフォーマンス次第でそれに見合うだけの高い報酬を得る事ができます。コンサルタントにもプロジェクトとプロジェクトの合間には休息の取れる期間があり、中にはその期間に海外旅行に行くなど、その経済的なメリットを活かしてプライベートを充実させています。そのようなオン・オフのメリハリが次の仕事へのモチベーションへとつながります。

◆キャリア

コンサルティングファームでの実務経験は転職市場で高く評価され、コンサルティングファームから同業他社、事業会社の経営企画ポジション、投資ファンドなどへの転職が実現しています。これらもまた、コンサルタントが仕事を続けていくモチベーションとなります。
コンサルティングファームで働いている方が転職する先で最も一般的なのはやはり同業他社のコンサルティングファームです。その目的は、転職で昇給や昇進を実現する、総合コンサルタントやITコンサルタントから戦略コンサルタントにキャリアチェンジする、働き方改革が進んでいるファームに転職する等様々です。
また、コンサルタントの中には、クライアントを助けるだけでなく、自身で事業に取り組んでみたいと考える方も多く、そのような方は事業会社に転職しています。一方、コンサルタントとして仕事をしながら新規事業に挑戦できる企業もあります。特に、コンサルティングファーム経験者が独立して創業した「国内独立系コンサルティングファーム」では新規事業への取り組みが旺盛な傾向があります。これらの会社の多くは、コンサルティングで収益を上げながら新規事業にも取り組んでおり、最新のIT技術を取り入れた事業やコンサルティング業務で得た知見を活かした事業展開を行っています。

■まとめ

・コンサルタントの仕事はクライアントの利益を増大させるために存在する。
・コンサルタントに仕事を依頼すると「第3者目線」「経験者」「問題解決スキル」の3つのメリットを得る事ができる。
・コンサルタントにはクライアントの「ありがとう」にやりがいを感じる温かみのある方が沢山いる。
・コンサルティングファームでの経験は転職市場で高く評価され、様々なキャリアパスが存在する。

これからコンサルティング業界で働いてみたい方、また、現在コンサルタントの方で今後のキャリアをお考えの方、是非お気軽にご連絡下さい。皆様がキャリアにおいて目指す方向に伴走できるようサポートいたします。

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